2010年6月22日火曜日

スイミーの逆襲


日曜日の午後。


炎天下の中、年に1度近所で催される、屋台が何ブロックも立ち並ぶお祭りの人ごみをかき分け、ブルックリンからマンハッタンへ向かう地下鉄F線に乗り込んだ時の事でした。

目の前にはごく普通の、いや、標準よりも1.5倍程ヒョロリとした、色白のアメリカ人青年が座っていました。片手で新聞を持って夢中で読んでいるのですが、もう片方の手で、膝に乗せたスナック菓子を「The・無意識」といった感じで次から次へガバッと掴んでは口に放り込んでいました。
そのスナックは、日本で言う「おっとっと」(とんねるずのCM、懐かしいネ!)のような、アメリカでは超メジャーなオサカナ型のクラッカー、"Goldfish"でした。


      スーイスイ♩

はじめは「この人、私が今こっそりGoldfishを柿ピーにすり替えても気付かないんじゃないの?」と思う程、全く注意が払われないまま青年に噛み砕かれていくオサカナ君たちでした。


この後、その機械と見紛うほどの、

♩サカナ掴む→口に入れる→噛む/噛む/噛む♩(以上、ループします)

という見事な三角リズムに変調が訪れようとは。。


青年の観察にそろそろ飽きて来た頃(とは言え、ものの2分くらい..)、電車はなおもカタンコトンと穏やかに線路を滑り進んで行きます。
でも...新幹線でもなく、ましてや「ニューヨークの地下鉄」に「穏やかに」なんて形容詞、そもそも似合う筈がありませんよね..? (´ー`)┌ フッ

きっと面白い記事でも見つけたのでしょう、青年の意識が完全に新聞に移行し、「菓子の手」の動きが青年の意識を離れ、完全にオートマ化された時でした。


「キュキューッ!」


いつもの事です、急ブレーキです。

しかし、その時  目の前で繰り広げられた事は、いつもの事からはほど遠い景色でした。。


「ドッッバーッッッ!」


と、ブレーキと共にサカナ君たちが青年の膝に不安定に乗せてあった袋から、有り得ないくらいド派手に飛び出して来たのです。ブチまけられた、とも言いますが。
さながら、せっかくコンガリ黄金色に、美味しく焼かれて生まれてきたのに、まったく味わわれないで食べられていったサカナ君たちの逆襲のようでした...。(←今考えました。)

車両には青年と私と、あと私と同じ側に座っている男性がいたのですが、私と同じくらい笑いをプルプルとこらえている男性の顔が、向かいの窓に映ったのを見た時、私の「笑欲」は頂点に達しました。そんな余裕は無かったのですが、念のため、「思いっきり笑ってもいいかナ?」の無言の許可を得ようと、笑いの提供者の顔をチラッと伺い見た所...


激・真顔!


だったので、驚愕しつつもそこは一応社会人、スッと笑いを引っ込めてみました。(健康に悪そう。絶対に悪そう。)

青年は、自らが引き起こした事態を中々飲み込めないまま、しばらく真顔でボー然としていたのですが、我に返るや否や、今度は何食わぬ顔で、自分の膝・イスの上に僅かに散り残ったオサカナ君たちを、迅速かつ正確に、一匹一匹つまみあげ、袋に回収していったのです!(私の心の声:「あ、それはセーフティゾーンなんだ。。」)

問題は、「超・大漁」とばかりに床に散乱したオサカナ君たち...。
どうするんだろうなー、ウ〜ンまあ、放っとくんだろうなー、と思っていた矢先っ...!!

サッカー選手顔負けの華麗な足さばきで、「サッ、サッ」と自らの足を利用してスイミーたちをかき集めるではありませんか!
再び襲ってきた笑いの波を鎮めつつも、さすがに「メ、メイアイヘルプユー...?」と言いたかったのですが、そんな安い同情はいらんッ!とばかりの彼の超真顔っぷりに、これまた言葉を引っ込めてみました。(確かに...私が何をしたところで、もうサカナたちは戻ってこないのだもの...クスン)

やっと、サカナ君たちをひと所へ集め終わり、面白すぎる足の動きも止まった頃、青年はまた何食わぬ顔で新聞へと戻って行きました。


波瀾万丈を見守った後の、心地いい疲労感と妙な満足感。
このドラマっぷりはセックス・アンド・ザ・シティ2にも劣らないのではないでしょうか?(うそです。)


ちなみに、青年は次の駅で降りる時に、かき集めたオサカナ君たちを自慢の「足ぼうき」で電車とホームの間のギャップに律儀に蹴り落として行きました。一匹残らず。。


〜おまけ〜

2010年6月16日水曜日

色・はに ほへ と



父から、写真が一向に送られてこない。。
ので、まあ、気長に待つとします。


今日は、枇杷みたいな微妙な色身のTシャツを、American Apparelで買おうか迷って、やめました。
色が欲しい。色が着たいね、と親友とユニオン・スクウェア付近を歩きながら言う。
何色が?と聞くと、「うーん、グレーとか、今着てるカーキとか」と言うので、「色っていうか...それ、限りなくモノトーンに近いじゃん..!激シブ!」と笑う。彼女は、スタイリッシュでモノトーンがすっごく似合うので、納得なのですが。


何色の服を着るのが好きか、は年齢によって変わって行くものかもしれないけど、何色が好きか、はそんなに変わらないかもなあと思います。


ちなみに私の場合、


☆金色 〜バブリーなイエローゴールドから上品なシャンパンゴールドまで












☆パーリーな色全般〜 
百円ショップの粗悪なプラスチック製品も、パールがかっていると実は内心グッと来てしまう。パーリーなゴムマリも然り。



















☆シャービックのようなパステルカラー全般
(メロン、ピーチ、レモン...ファンシーカラー。)




☆チープな印刷物のように、スレた墨色。



☆娼婦の部屋のカーテンってな感じの安っぽいピンク色。
(素材なら、オーガンジーで)



☆ラピスラズリのような濃紺















などが、基本的に昔から変わらず好きです。

言葉で言うと、ファジー/ファンシー/クリーミー/スモーキー/ニュートラル/パーリー/ネオン....でしょうか。

これらの言葉、キーワードは、自分の好きな音楽にも共通する気がします。

以下、ランダムに選んでみました、私の好きな音楽たち。



Kraftwerk "Tour de France"(break dance version)



Laurie Anderson "O Superman"



Isabella Adjani "Pull Marine"



Humpe&Humpe "Ya-Ma-Ha"



Silver Apples "Oscillations"



Lio "Banana Split"



Hall&Oates "Method of Modern Love"


Chara "Heaven"



Wink "One Night in Heaven"


ゼェゼェ...←あげ疲れた。。


と、組み合わせなど考えずメチャクチャに、自分の好きな音楽を並べてみましたが、こうしてみるとアラ不思議、好きな色となんとなくリンクしている気がします。
おもしろーい。



色は匂えど いろはにほへと