2010年11月23日火曜日

昨日はまたミッドタウンにあるBook-Offへ本を売りに行った。
新書込みで30冊以上売って、しかも村上春樹の1Q84(ハードカバー)2冊も入っていたのに、総額3ドルってイッタイどーゆーことよ?でもまあ、「物を減らすこと」が目的だったから、いいんだけど。。

会計待ちの間に、本を物色。
欲しくなるから、なるべく1ドルコーナー以外は見ないようにしてるのに、ついアラーキーこと荒木経惟の「いい顔してる人」という本をたまたま手に取って読み込んでしまい、閉店の時間になったので結局購入。(8ドル50セントだから、結局赤字。)

Book-Offのある45丁目からだと、タイムズスクエアから家の駅まで1本で比較的早く帰れるのですが、ちょっと読みたいなというのもあり、あえて時間のかかるブライアントパークから電車に乗りました。

結局、電車の中と、寝る前とで一気に読み切ってしまいました。それほど、面白かった。

たとえば、60年代に「中年女(オンナ)」という写真集を出すに当たり、地下鉄銀座線の中でよく人の顔を盗み撮りをしていたそうなのですが、その時のコツが「乗って3駅目」。
何かというと、「乗ったばかりでちょっと周りの人を気にして1駅。それから中吊りを熟読して2駅。で、何もすることがなくなって、3駅めにはすごいいいい顔になるの。(以下略)」
これは、自分を思い返してみてもその通りで、笑ってしまいました。ニューヨークの地下鉄には中吊り広告がないので(Dr.Zizmorはあるけど...)、2駅目の部分は「変な人の観察」に置き換えられますが。

何千、何万人の顔を撮って来たから、顔を見ただけで、その人がどういう人生を送って来たか大体わかるそう。生き方は全て、顔に出る、ということ。
「いちばんの裸は顔だよ  過去も現在もすべて  顔に出る。用心しろよ!」(本・帯より)

これは私も最近とくに思っていることで、例えば、上司に媚びを売ることに専念している人は「おどおど、こそこそとしたネズミっぽい顔」だったり(例が具体的ですみません..笑)、逆に不器用だけど誠実に生きている人は、はにかんだ優しい目を持っていたり。

政治家の顔なんかも、とくに面白いもので、国会答弁をたまにYoutubeで見ていると「この人は一見、優しそうな顔つきだけど、相当嘘つきだな。」とか「ぶっきらぼうで愛想はないけど、正直で、国や国民のことを思っているな。」とか、自分なりにわかってきます。
ちなみにアラーキーは撮ったことはないそうですが、小泉Jr.こと小泉進次郎はかなりいい顔(イケメンという意味ではなく)しているとのこと、私も国会答弁を見て同じように感じていました。

この本にも出て来る大宅壮一の言葉、「男の顔は履歴書」は、もちろん女にも当てはまります。いい年を重ねて、いい顔を作って行きたいものです。


写真は、本書には関係ないけれどアラーキー撮影による漫画家の魚喃キリコ
なんてキリリとしたいい顔!


2010年11月12日金曜日

三島由紀夫レター教室


バッグデザイナーであり、大切な友人でもあるHarunaとは、よく本を貸し借りするのですが(最近お互い忙しくて会えてない...)、彼女が貸してくれた数々の本の中でも特に私の気に入り、自分用にはもちろん、友人用(結局母へ贈りましたが)にももう一冊求めた程の本が、この「三島由紀夫レター教室」です。


五人の登場人物、

氷ママ子(45才)
山トビ夫(45才)
空ミツ子(20才)
炎タケル(23才)
丸トラ一(25才)

この登場人物の間でやりとりされる書簡の中身を覗き見する面白さときたら...!

目次だけでもさらに面白い。

「古風なラブ・レター」「有名人へのファン・レター」「肉体的な愛の申し込み」「処女でないことを打ちあける手紙」「同性への愛の告白」「愛を裏切った男 への脅迫状」「出産の通知」「招待を断わる手紙」「結婚申し込みの手紙」「恋敵を中傷する手紙」「心中誘う手紙」「旅先からの手紙」「年賀状の中へ不吉な手紙」「英文の手紙を書くコツ」「真相をあばく探偵の手紙」「探偵解決編の手紙」「身の上相談の手紙」「病人へのお身舞い状」「妊娠を知らせる手紙」「妊 娠を知った男の愛の手紙」「陰謀を打ち明ける手紙」「余計なお世話をやいた手紙」「裏切られた女の激怒の手紙」「閑な人の閑な手紙」「結婚と新婚を告げる 手紙」「すべてをあきらめた女の手紙」「家庭のゴタゴタをこぼす手紙」「離婚騒動をめぐる手紙」「悪男悪女の仲なおりの手紙」「作者から読者への手紙」


嫉妬、駆け引き、裏切り、独占欲、肉欲、ひっくるめて、純愛。


恋愛って、自分がどっぷり浸かっている時は、その滑稽さを笑う余裕をなかなか持てないものですが...。

こういう小説を読むとつくづく、人間くささいっぱいの感情の起伏のおかしさを、一歩引いて楽しめたら、恋愛に限らず人生は数倍スパイスの効いた楽しいものになるものだと感じます。

悲劇になるも喜劇ととるも自由な、知的な大人の恋愛。
年を取るのも楽しみになるってもんです。

あとがきにある、「世の中の人間は、みんな自分勝手の目的へ向かって邁進しており、他人に関心を持つのはよほど例外的だ、とわかったときに、はじめてあなたの書く手紙にはいきいきとした力がそなわり、人の心をゆすぶる手紙が書けるようになるのです。」
このマナーも、色んなことに応用できそう。

場末のスナックや飲み屋で、知らない人の話を聞くのが好きな人ならきっと好きな本だと思います。

それにしても、「金閣寺」も書けて、こういうツイストの効いたユーモアたっぷりの人間模様も書ける三島由紀夫ってイッタイどんな脳を持ってたのだろう...。

2010年11月9日火曜日

本日のパープルタウン


電車内より。



それにしても...

温泉に浸かりたい。

なんならツムラの名湯でもいいから。

ビザのこと、仕事のこと等上手く運んで、1月か2月中には

日本へ一時帰国出来ますように。

いや、絶対にしなくては。

日本での1番の幸せタイムは、お風呂にゆっくり浸かっているとき。

体を温かい液体に包まれる感触はもちろん、

湯気がポワポワと立ちのぼる様子とか、

お湯の匂い、ちゃぽん・ぴちょんという音、鼻歌のエコー。

こちらでは、浴槽が浅かったり、水はけが悪かったりで、

なかなか叶わないのだ。

ほとんどのニューヨーカーはシャワーで済ませてしまう。


Purple town Purple town

素晴しい朝に hu hu hu

Purple town Purple town

翼広げて hu hu hu

入浴 愛する気持ちを呼びさます都会ね

入〜浴 紫にけむる夜明け♩


なのにねっ。


八神純子 "パープルタウン"


あ、ダジャレね...失礼いたしました。(テヘ)

気を取り直して...

妄想の中だけでも、こんな温泉に浸かりたいと思います。
法師乃湯

2010年11月7日日曜日

Visionaire's Halloween Party @MOMA PS1

8月につけた、残暑見舞いの記事から早や2ヶ月が過ぎてしまいました..。
なんというスローペースなブログでしょう。
気がつけば秋を通り越して、初冬。N.Y.もすっかり冷え込んで参りました。

色々な出来事がありましたが、中でも最近の1番大きなイベントは「ハロウィン」でした。
それも、ラッキーな事にヴィジョネア(部数限定/毎号オブジェのようなクオリティのファッション+アート雑誌)のハロウィン・パーティに滑り込む事ができたので、この貴重な体験をご紹介させて頂きます。

誘われたのはハロウィンの前日の10月30日・土曜日で、「明日までに何か仮装を考えればいいや」とノン気に構えていたのに、夕方頃に「ねえ、エミコ、仮装の準備はできてる?今夜の」と電話が入り、私の勘違いが発覚。今年のハロウィンは日曜日なので、ほとんどのパーティは金曜日か前日の土曜日に行われていたのでした。頭の中が一瞬真っ白になるも、ちょうど2年前にフリーマーケットで購入した、アンティークの黒のロングドレスがしまってあったのを思い出し、さらに都合の良い事に一緒に行く友人達も、テーマは「ゴシック」との事で、後はお化粧でなんとか間に合わせる事に。

友人宅に着くと、既にお顔真っ白、お目目の周り真っ黒、衣装は退廃的で暗黒でゴシック!にバッチリ決めた友人達が洗面所で「ゴス化」に精を出していたので、私も負けては居られない、とお白粉をペタペタ。
ハロウィン仮装って、始めるまでは面倒なんだけど、いざやり始めるとトコトンやりたくなるものですねえ。。

完ぺきにアブナイ3人組が完成した後、アパート下でさらに2人の友人とキャブに乗り込み、いざ、パーティ会場へ!
会場となったのは、MOMA PS1と言う、Long Island CityにあるMOMA系列の現代美術館。
PS1とは、Public School No.1の略、つまり元学校を改築した美術館なので、ホラー気分も5割増!

キャブ内でサンドウィッチをまわし食べし、橋を越え、会場に到着。
入場リストチェックも無事に済み、入り口へ向かうと、館内へ続く階段の一段一段にロウソクが灯されていて、この美術館の無機質な昼間の顔しか見た事のない私はゾクゾクと大興奮!

この写真のみ、NY Timesから拝借...


ちなみに、家でホラー気分を盛り上げるため、1人何遍もシツコク再生していた曲はこれ!

Bauhaus "Bela Lugosi's Dead"

うーんカッコイイ!

私達3人の仮装も、まるでこの曲のようにゴシックで不気味なものになったと思います。。
ヒヒヒ。。


さあ、いよいよ館内に入ると、廊下は赤いランプで血の色に照らされ、「キャー!ヘルプミー!」という叫び声の音声がこだましておりました。

真っ赤な廊下

フリードリンクもクランベリー×ウォッカで血の色...。

DJも顔はピエロ

小林君とマギーと巨大なドラァグクイーン

昼間の王様と暗黒王子タケル(小林君のゴスの似合う事!)

マギーのゴス似合いっぷりも、半端ない!

American Psychoのパトリック・ベイトマン??

キース・リチャーズ(偽)と今回誘ってくれたニッキー

ウルフマン

綿ホコリをまき散らしていたカップル

イケメンのボート漕ぎ

コーンヘッズ!

純白で目立っていたカップル

カメラを向けると笑顔がとても可愛かったキューピッド君

どんなパーティにもパンチの効いた華を添える、ドラァグクイーン

全身キースへリング男

マギー、小林君、可愛いブラックバニーちゃん

人気のあるテーマ、「血の花嫁」(もしくは「キャリー」)

踊るうちに夜は更けて...


その他、美しいバレリーナに扮したVisionaireのカリスマ編集長のセシリア・ディーンや、インディアンの酋長に扮した同じく創始者のスティーブン・ガンなどもダンスフロアに。ヴィジョネアのパーティだけあって、凄い人ばかりが来ていただろうことは間違いないのですが、何しろみんな仮装しているので、誰が誰だか。。後でニュース記事を見ると、コートニー・ラブや
リブ・タイラーも来ていたとの事でした。


とはいえ、そんなセレブ達よりも私の心を鷲掴みにしたのが、この男...



どん!

Dr. Zizmor!!!!!

これ....N.Y.で地下鉄に乗る人しかわからない可笑しさなのかもですが。。

元ネタは、コチラ...↓




要は、Dr.Zizmor氏という美容外科医の打っている広告なのですが、そのデザインの醜悪さといい、全体から漂う異様なまでの胡散臭さといい、ニューヨーカーなら誰もが1度は(たぶん)笑いの種にした事のある、ある意味「ニューヨークで1番有名な男、の1人」なのです!...負の意味で!

そんなZizmorと顔も髪型(後退具合)も似ている彼が、手描きの涙ぐましい看板を背負っているのを発見したときの腹筋の痛さと来たら!!
間違いなく、私の中の今年のハロウィン仮装第1位です。


お洒落なパーティに行ったのに、結局1位はZizmorって...。


なにはともあれ、大人が本気で仮装して遊ぶN.Y.のハロウィン、私は好きです。


でも楽しみ過ぎて、次の日は1日中ひどい2日酔いでした。反省。。m(_ _)m


さぁ、来年は何になろう!?



※私の仮装写真が1枚もないのは、ハニかんでいる訳ではなく、自分のカメラで撮りそびれたからです。友人から送ってもらったら、また載せま〜す☆

2010年8月14日土曜日

残暑お見舞い申し上げます。



みなさま、

じりじりと照りつける灼熱の太陽の下、いかがお過ごしですか?

ニューヨークは少しだけ涼しくなり、

この上なく気持ちのいい気候でございます。

風鈴と

蝉の鳴き声

蚊取り線香

それから

カルピスを混ぜる時に氷が奏でる涼しげな音 などなど

日本の夏もまた良いなと懐かしく思い浮かべながら、

いましかない、今年の夏を楽しんでおります。

みなさまも、夏風邪などひかぬよう。

2010年、熱く忘れられない夏になりますように。

2010年7月26日月曜日

Moonstruck


今夜は満月です。

私の部屋の窓からも、やや雲がかってはいるものの、まあるく美しく、眩しいほどに白く発光しているお月様が見えます。
月の表面の模様ですが、私にはウサギの餅つきには見えません。
ちょっと困ったような、あどけないような顔に見えます。
美術・デザイン書籍を出している、「マール社」のロゴマークが、近いです。

マール社のマーク


月にまつわる映画と言えば、若かりし頃のシェールとニコラス・ケイジがNYを舞台に満月の夜、大恋愛をする"Moonstruck"(邦題:月の輝く夜に)が大好きです。ディーン・マーチンの歌う、That's Amore"もユーモア&臨場感たっぷり。ドタバタで、不器用で、滑稽で、人間くさくて、でも愛情たっぷりで憎めない、濃い〜いイタリア人の家族愛と恋愛、そして今はなきワールドトレードセンターを背に、NYのロマンチックな風景も楽しめる、大お勧め映画です。



その中で、自分の兄の婚約者であるシェールに恋をしてしまったニコラス・ケイジが言う名台詞がこれ。

But love don't make things nice.
It ruins everything.
It breaks your heart.
It makes things a mess.
We aren't here to make things perfect.

The snowflakes are perfect.
The stars are perfect.
Not us.

We are here to ruin ourselves...
and to break our hearts...
and love the wrong people...
and die

あ、熱い...
でも、的を得ているなと思うんです。



月と言えば、こちらも名曲ですネ。
ジュリーロンドンは、昔から「大人のいい女」の代表格のようなイメージがあります。

Julie London "Fly me to the Moon"



こちらも名画の中の名曲...
Moon River "Breakfast at Tiffany's"


最後はクラシックの名曲、ドビュッシーの"Claire de Lune(月の光)"
せつなくて、美しくて、まさに月を想って作られた曲という感じです。
CLAUDE DEBUSSY: CLAIRE DE LUNE



地球のどこにいても、見える月は同じなんですね。
それでは皆様、良い夢を。



こちらは昨夏、夜のブライトンビーチで月光浴をした時にパチリ


2010年7月25日日曜日

キムチな土曜日、昼下がり



今日はウンニョンという、韓国人の友人が、韓国から遊びに来ている彼氏と共に家に遊びに来た。

彼女は3年前に私がニューヨークへ来て、初めてのルームメイト。
今回の渡米では、ルームメイトとのシェアは考えていなかったのだけど、クラスで意気投合した事と、当時Midwoodと言う、マンハッタンから電車で40分くらいかかるコアなエリアで広めの部屋をふた部屋、1人で丸々使っていた私の所に、ある日彼女が「エミ、助けて。ホストファミリーがとてもイジワルで耐えられない。」と泣きながら電話して来たので、「じゃあ明日から家に来て、一緒に住もうよ。」という事になったのだ。

それから彼女が韓国へ帰国するまでの数ヶ月あまり、(渡米の目的であった)活版印刷所での仕事から帰宅して、まるでウッディ・アレンのような早口+ニューヨーク訛りのボスや同僚の英語が聞き取れなくてコテンパンにくじけそうになった私を励ましてくれたり、遠距離恋愛+彼氏が徴兵中(韓国なので)の為、時々寂しさで発狂しそうになる彼女を私が美術館に連れ出したりと、持ちつ持たれつの関係が続いたのでした。

そんな彼女が、ニューヨークに約2年ぶりに舞い戻って来たのが今年の3月。
彼氏とはまたまた遠距離恋愛だけど、この1ヶ月は彼氏が韓国から訪ねて来てラブラブな時間を過ごせた模様。彼氏は明後日また韓国へ戻ってしまうのに、今日は「彼女がエミコとルームメイトだった時にお世話になったから」と言って、材料を引っさげてうちのキッチンへ出張クッキングをしに来てくれました。

お品書きは、キムチチャーハンと醤油味のトッポキ、それと木綿豆腐に炒めたキムチを乗せたもの。
作り方覚えたいし、お手伝いするよ!と申し出るも、「いいから!女子はあっちに行ってビールでも飲んでて!」と言われ、すごすごと(ウキウキと)キッチンを離れ、数十分。
汗だくになった彼氏が美味しそうなお料理を手に登場!


じゃん

どれもビールと合うこと!
全部とっても美味しかった。レシピを後で送ってくれる約束なので、届き次第追加で乗せます☆


性格も最高に良い、可愛いカップル。

ウンニョンとは、お互いアート好きで鑑賞の呼吸が合うことから、よく一緒に美術館に行っていたのですが、来週からいよいよメトロポリタン美術館のミュージアムグッズ・デザインのインターンとして働き始めるとの事。よかったね!私も裏話を聞くのが今から楽しみ!

彼氏が帰ってしまって寂しいだろうけど、6年間もNY/韓国(軍隊)、ロンドン/韓国、NY/韓国...と、常にすれ違いまくりの遠距離でいた2人なので、今回もきっと乗り越えられる事と思います。



今日はこれから、日本にいる姉の知人の同級生が、私と同じブルックリンに住んでいると言うのでサンデーブランチしに行きます。
同じブルックリンどころか、近所、それもナント1ブロック内に住んでいると言う事実に驚愕。縁とは、面白いものですね〜!


それでは、また!

2010年6月22日火曜日

スイミーの逆襲


日曜日の午後。


炎天下の中、年に1度近所で催される、屋台が何ブロックも立ち並ぶお祭りの人ごみをかき分け、ブルックリンからマンハッタンへ向かう地下鉄F線に乗り込んだ時の事でした。

目の前にはごく普通の、いや、標準よりも1.5倍程ヒョロリとした、色白のアメリカ人青年が座っていました。片手で新聞を持って夢中で読んでいるのですが、もう片方の手で、膝に乗せたスナック菓子を「The・無意識」といった感じで次から次へガバッと掴んでは口に放り込んでいました。
そのスナックは、日本で言う「おっとっと」(とんねるずのCM、懐かしいネ!)のような、アメリカでは超メジャーなオサカナ型のクラッカー、"Goldfish"でした。


      スーイスイ♩

はじめは「この人、私が今こっそりGoldfishを柿ピーにすり替えても気付かないんじゃないの?」と思う程、全く注意が払われないまま青年に噛み砕かれていくオサカナ君たちでした。


この後、その機械と見紛うほどの、

♩サカナ掴む→口に入れる→噛む/噛む/噛む♩(以上、ループします)

という見事な三角リズムに変調が訪れようとは。。


青年の観察にそろそろ飽きて来た頃(とは言え、ものの2分くらい..)、電車はなおもカタンコトンと穏やかに線路を滑り進んで行きます。
でも...新幹線でもなく、ましてや「ニューヨークの地下鉄」に「穏やかに」なんて形容詞、そもそも似合う筈がありませんよね..? (´ー`)┌ フッ

きっと面白い記事でも見つけたのでしょう、青年の意識が完全に新聞に移行し、「菓子の手」の動きが青年の意識を離れ、完全にオートマ化された時でした。


「キュキューッ!」


いつもの事です、急ブレーキです。

しかし、その時  目の前で繰り広げられた事は、いつもの事からはほど遠い景色でした。。


「ドッッバーッッッ!」


と、ブレーキと共にサカナ君たちが青年の膝に不安定に乗せてあった袋から、有り得ないくらいド派手に飛び出して来たのです。ブチまけられた、とも言いますが。
さながら、せっかくコンガリ黄金色に、美味しく焼かれて生まれてきたのに、まったく味わわれないで食べられていったサカナ君たちの逆襲のようでした...。(←今考えました。)

車両には青年と私と、あと私と同じ側に座っている男性がいたのですが、私と同じくらい笑いをプルプルとこらえている男性の顔が、向かいの窓に映ったのを見た時、私の「笑欲」は頂点に達しました。そんな余裕は無かったのですが、念のため、「思いっきり笑ってもいいかナ?」の無言の許可を得ようと、笑いの提供者の顔をチラッと伺い見た所...


激・真顔!


だったので、驚愕しつつもそこは一応社会人、スッと笑いを引っ込めてみました。(健康に悪そう。絶対に悪そう。)

青年は、自らが引き起こした事態を中々飲み込めないまま、しばらく真顔でボー然としていたのですが、我に返るや否や、今度は何食わぬ顔で、自分の膝・イスの上に僅かに散り残ったオサカナ君たちを、迅速かつ正確に、一匹一匹つまみあげ、袋に回収していったのです!(私の心の声:「あ、それはセーフティゾーンなんだ。。」)

問題は、「超・大漁」とばかりに床に散乱したオサカナ君たち...。
どうするんだろうなー、ウ〜ンまあ、放っとくんだろうなー、と思っていた矢先っ...!!

サッカー選手顔負けの華麗な足さばきで、「サッ、サッ」と自らの足を利用してスイミーたちをかき集めるではありませんか!
再び襲ってきた笑いの波を鎮めつつも、さすがに「メ、メイアイヘルプユー...?」と言いたかったのですが、そんな安い同情はいらんッ!とばかりの彼の超真顔っぷりに、これまた言葉を引っ込めてみました。(確かに...私が何をしたところで、もうサカナたちは戻ってこないのだもの...クスン)

やっと、サカナ君たちをひと所へ集め終わり、面白すぎる足の動きも止まった頃、青年はまた何食わぬ顔で新聞へと戻って行きました。


波瀾万丈を見守った後の、心地いい疲労感と妙な満足感。
このドラマっぷりはセックス・アンド・ザ・シティ2にも劣らないのではないでしょうか?(うそです。)


ちなみに、青年は次の駅で降りる時に、かき集めたオサカナ君たちを自慢の「足ぼうき」で電車とホームの間のギャップに律儀に蹴り落として行きました。一匹残らず。。


〜おまけ〜

2010年6月16日水曜日

色・はに ほへ と



父から、写真が一向に送られてこない。。
ので、まあ、気長に待つとします。


今日は、枇杷みたいな微妙な色身のTシャツを、American Apparelで買おうか迷って、やめました。
色が欲しい。色が着たいね、と親友とユニオン・スクウェア付近を歩きながら言う。
何色が?と聞くと、「うーん、グレーとか、今着てるカーキとか」と言うので、「色っていうか...それ、限りなくモノトーンに近いじゃん..!激シブ!」と笑う。彼女は、スタイリッシュでモノトーンがすっごく似合うので、納得なのですが。


何色の服を着るのが好きか、は年齢によって変わって行くものかもしれないけど、何色が好きか、はそんなに変わらないかもなあと思います。


ちなみに私の場合、


☆金色 〜バブリーなイエローゴールドから上品なシャンパンゴールドまで












☆パーリーな色全般〜 
百円ショップの粗悪なプラスチック製品も、パールがかっていると実は内心グッと来てしまう。パーリーなゴムマリも然り。



















☆シャービックのようなパステルカラー全般
(メロン、ピーチ、レモン...ファンシーカラー。)




☆チープな印刷物のように、スレた墨色。



☆娼婦の部屋のカーテンってな感じの安っぽいピンク色。
(素材なら、オーガンジーで)



☆ラピスラズリのような濃紺















などが、基本的に昔から変わらず好きです。

言葉で言うと、ファジー/ファンシー/クリーミー/スモーキー/ニュートラル/パーリー/ネオン....でしょうか。

これらの言葉、キーワードは、自分の好きな音楽にも共通する気がします。

以下、ランダムに選んでみました、私の好きな音楽たち。



Kraftwerk "Tour de France"(break dance version)



Laurie Anderson "O Superman"



Isabella Adjani "Pull Marine"



Humpe&Humpe "Ya-Ma-Ha"



Silver Apples "Oscillations"



Lio "Banana Split"



Hall&Oates "Method of Modern Love"


Chara "Heaven"



Wink "One Night in Heaven"


ゼェゼェ...←あげ疲れた。。


と、組み合わせなど考えずメチャクチャに、自分の好きな音楽を並べてみましたが、こうしてみるとアラ不思議、好きな色となんとなくリンクしている気がします。
おもしろーい。



色は匂えど いろはにほへと



2010年5月30日日曜日

雲のかよひ路 吹きとぢよ


前回予告しました父日記は、父のカメラに入っている画像待ちなので、
しばし自慢のマイ雲コレクションをお楽しみ下さいませ。



Phoenix(鳳凰)雲 in マサチューセッツ



「わ!天使が翼を広げてる!」雲



左上にスワンちゃん雲@South Street Seaport



健やかなエアロビ雲@Sunset Park



特にタイトルが思いつかないけど好きな雲inアリゾナ州セドナ




漫画のフキダシ雲inアリゾナ州セドナ


ビルを影絵に見立てるコントラスト雲



いい弧を描くヒコーキ雲@Avenue M駅




最後は大好きなRah Bandの "Clouds across the Moon"



PVはバリバリ80’sで凄い事になってるけど、歌詞はせつなくもカワイイ遠恋ソング




2010年5月14日金曜日

姉、来たる



5月はイベントフルな月でして、月初めには姉が、先週は父が遊びに来ました。


まずは、姉との思い出を...


NY郊外の緑いっぱいの場所へ行って、リフレッシュしよう計画も出たのですが、結局、家から歩いてすぐのプロスペクト・パークへ行きました。

私のおおまかな計画では、公園内を軽く散歩→スザンヌ・ベガの有名な"Tom's Diner"という歌が書かれたという、Tom's Restaurantでブランチ、の予定だったのですが...


タンポポやシロツメクサと戯れる姉。


道を行く姉。


シュールな構図、の姉


リス風の姉。


水面にお日様がキラキラ。


とかなんとか、歩いたり、寝そべったり、美味しいアップルサイダーを買って飲んだり、迷ったりしてたら、気付くと広大とは言え、公園内で5時間くらいが経過!あわわ。

少し慌て気味でTom's Restaurantへ向かうと...


Tom's Restaurant

ガーン!!閉まってルゥ〜〜〜〜うゥ!
見ると、4時閉店と書いてあります。。は、早すぎではないですか?



Suzanne Vega "Tom's Diner"



完全にダイナー・モードになっていた為、これまた家の近所の"Purity Diner"へ行く事に。


Purity Dinerの店内


手前は私のパンケーキ&ソーセージ、
向かいは姉のブルックリン・フライ


このダイナー、私の前の日記「雪の紐育」でもチラッと出て来たんですが、ほんとに何の気取りもない、ダイナー以上でもダイナー以下でもない、ダイナーらしいダイナーなんです。
で、ダイナーらしいものを注文。



次の日は家から電車で約30分のコニーアイランドへ。
コニーアイランドの歌と言えば、やはりこれでしょうか?


松田聖子「雨のコニーアイランド」


対する、洋楽勢ではこれでどう?


Lou Reed "Coney Island Baby"


でも1番似合うなあと思う曲は、これです。


The Drifters "Under The Boardwalk"


脱線しましたが...とにかく着きました。カンカン照りのいい天気!


コニーアイランドに欠かせない存在のNathan'sホットドッグ☆


"Wall of Fame"には我らが小林尊くん!


コニーアイランドの、いたる所にある間抜けなイラストが、とてもツボ。



このさびれ感がたまらないでしょう?


手描きの看板もいい味出して。


観覧車と星条旗。


夜中に営業してたら忍び込んで遊びたい。(大人限定)


木造コースター、サイクロ〜ン!


また くるよ。


しばらく改装中だったコニーアイランドの遊園地Luna Parkが明日、19個の新アトラクションをお披露目してのグランド・オープンらしいですよ☆
行かなくては...。


そんなこんなで、姉とはほぼ、ブルックリン内で充実してしまいました。


それでは、次回は父日記を...。