2010年11月12日金曜日

三島由紀夫レター教室


バッグデザイナーであり、大切な友人でもあるHarunaとは、よく本を貸し借りするのですが(最近お互い忙しくて会えてない...)、彼女が貸してくれた数々の本の中でも特に私の気に入り、自分用にはもちろん、友人用(結局母へ贈りましたが)にももう一冊求めた程の本が、この「三島由紀夫レター教室」です。


五人の登場人物、

氷ママ子(45才)
山トビ夫(45才)
空ミツ子(20才)
炎タケル(23才)
丸トラ一(25才)

この登場人物の間でやりとりされる書簡の中身を覗き見する面白さときたら...!

目次だけでもさらに面白い。

「古風なラブ・レター」「有名人へのファン・レター」「肉体的な愛の申し込み」「処女でないことを打ちあける手紙」「同性への愛の告白」「愛を裏切った男 への脅迫状」「出産の通知」「招待を断わる手紙」「結婚申し込みの手紙」「恋敵を中傷する手紙」「心中誘う手紙」「旅先からの手紙」「年賀状の中へ不吉な手紙」「英文の手紙を書くコツ」「真相をあばく探偵の手紙」「探偵解決編の手紙」「身の上相談の手紙」「病人へのお身舞い状」「妊娠を知らせる手紙」「妊 娠を知った男の愛の手紙」「陰謀を打ち明ける手紙」「余計なお世話をやいた手紙」「裏切られた女の激怒の手紙」「閑な人の閑な手紙」「結婚と新婚を告げる 手紙」「すべてをあきらめた女の手紙」「家庭のゴタゴタをこぼす手紙」「離婚騒動をめぐる手紙」「悪男悪女の仲なおりの手紙」「作者から読者への手紙」


嫉妬、駆け引き、裏切り、独占欲、肉欲、ひっくるめて、純愛。


恋愛って、自分がどっぷり浸かっている時は、その滑稽さを笑う余裕をなかなか持てないものですが...。

こういう小説を読むとつくづく、人間くささいっぱいの感情の起伏のおかしさを、一歩引いて楽しめたら、恋愛に限らず人生は数倍スパイスの効いた楽しいものになるものだと感じます。

悲劇になるも喜劇ととるも自由な、知的な大人の恋愛。
年を取るのも楽しみになるってもんです。

あとがきにある、「世の中の人間は、みんな自分勝手の目的へ向かって邁進しており、他人に関心を持つのはよほど例外的だ、とわかったときに、はじめてあなたの書く手紙にはいきいきとした力がそなわり、人の心をゆすぶる手紙が書けるようになるのです。」
このマナーも、色んなことに応用できそう。

場末のスナックや飲み屋で、知らない人の話を聞くのが好きな人ならきっと好きな本だと思います。

それにしても、「金閣寺」も書けて、こういうツイストの効いたユーモアたっぷりの人間模様も書ける三島由紀夫ってイッタイどんな脳を持ってたのだろう...。

2 件のコメント:

23stのシザーハンズ さんのコメント...

おもしろそうな
本ですね
読みたくなりました

しかしお二人は趣味が合うんですね

creamy emi さんのコメント...

23stのシザーハンズさま

コメントありがとうございます!
ハンドル名、笑いました..w

そうなんですよ、彼女とは龍馬伝やら三島由紀夫やら、ハマるものとタイミングが被ります。レター教室は、紀伊国屋には確か置いていなくて、Bookoffにあった気がします!
是非読んでみて下さい☆