(私はたとえば澁澤龍彦の書いた本を読む前に「澁澤竜彦のイタリア紀行」とかを読んじゃう人なので、伝記とか作家の人となりが垣間みられるエッセイが好きなのかもしれない。)
これは、彼女の飛行機墜落死後に、大の食いしん坊で美食家で料理好きの向田邦子が残した生前のレシピを妹の和子さんがまとめあげたものなんだけど、ただのレシピ本としてじゃなくて、その料理にまつわるエピソードがとっても面白いの。
私は見た事がないけど(生まれる前だったから...)、彼女が手がけた「寺内貫太郎一家」っていうドラマの脚本では、毎回、みえなくてもちゃんと家族が囲む食卓の献立内容まで事細かに書いていたらしい。それだけ、「ごはん」が人にもたらす影響とか、あたたか味とかを熟知してた人なんだろうなぁと思いました。
この本、一気には読まず、宝物みたいに、キッチンでひと休みする時とかに楽しみに立ち読んでたんですが、昨日またページをめくってみたら、改めて本当に素敵な人だなあとしみじみ思って。
で、なんとなく血液型を調べてみたら、、、私と同じB型!!!おぉ〜、なんか妙に嬉しい...!(まーた調子乗っちゃうよ、コレ)
ひとしきり小さな嬉しさを噛み締めた後、写真をみながら、今もし生きていたらもう80才を越してるのかぁ、なんて考えだしたら、急に今80才を越してる私のおばあちゃんを思い出して、なんだか、私が小さかった頃はおばあちゃんまだこの写真の中の向田邦子と同じ50才くらいだったのか、とか、あの頃は豪快な笑い顔とか向田邦子に似てたんじゃない?とか思い始めて、涙がポロリ。
というのも、うちのおばあちゃんは、息子(父の弟)と夫だったおじいちゃんを続けて亡くしてから、私がもの心付いた頃からずっと、私達家族と二世帯で暮らしてたんですが(私は今ニューヨークで、姉は一人暮らしだけど)、息子に先に逝かれた悲しみをずっと断ち切れないせいか、年を重ねるごとに偏屈・卑屈で典型的な、人に疎まれるような性格になっていってしまったんです。一緒に暮らしている方はかなり大変で。。 といっても、1番大変だったのは(いまも昔も)母だと思いますが。
とにかく、おばあちゃんと言えば正直、家族のメンバーそれぞれが接し方に頭を悩ませてしまう存在なのです。
だけど。
たまに、たまーに、全然関係ないハズの所で何故かふと、おばあちゃんが重ね合わせられて、「今はあんなだけど、昔はこんな笑顔の時あったんだなー」と思うんです。今回はそれが向田邦子のレシピ本、その中の彼女の笑顔の写真でした。
おばあちゃんを美化するつもりはないけども、こうしてふとした瞬間に、「こういう人」って決めつけたり、もう思い込んでた人を、そういえば、なんでそうなっちゃったんだろうって考えるのって大事だなと思いました。だって、誰だって、そして自分だってそうなる可能性あるし...。だからって、なんでも許そうよっていうんじゃなくて、ただその原因を想像してみるだけでもいいって思うんですけどネ。
って...アレ?
「向田邦子もB型だったんだゼ」自慢の記事にするつもりが...ナゼ?
(書いてる内に、なんだかおばあちゃんの事もどうしても書きたくなっちゃって)
明日は「眠る盃」以外を探しに、紀伊国屋へ出向こう。
6 件のコメント:
僕もB型。両親もB型。元妻もB型。息子もB型。
田中角栄も、長島茂雄も、イチローもB型。
昔といっても1970年代のことですが、新宿のゴールデン街のオーナー達が貸し切りバスで温泉旅行にでかけたときのこと。
車内で血液型の話で盛りあがったそうです。結果は、90%がB型。
向田邦子の書いた本と彼女に関する評伝などをすべて読みましたが、B型ときいてナットクです。そういうひとです。イイ意味で。
Jack Amano
Jack様
渡辺さまもB型、さらにそこまで濃いB型とは..!私の家系もほぼB型+たまにO型で構成されております..。
ゴールデン街は前回帰国した際に一晩につき10軒ハシゴする程ハマりましたので、あの濃い飲み屋の店主の9割がB型というのも、妙に納得がいきます。
向田邦子、大好きです。
「ままや」、行ってみたかったです。
creamy emi 様
この文章を書いた時から約4年後、
お墓まいりをすることになりましたね。
まだ少ししか読めてないですが、
素敵なblogですね。
再開(パープルタウンからメトロポリスの片隅にお引越し?)を楽しみにしています。
M
↑
6年後でしたね。。。
M
Mさま
先週の誕生日あたりから、変な時間に目覚めるようになってしまいました。頭の中に春が来たせいでしょうか。
今朝も6時頃から、自分の書いた文章を赤面しながら読み返していたところ、Mさまのコメントを発見しました。
とても嬉しいです。
今度、晴れた日にMさまのMロゴ入りキャップを連れて、向田邦子のお墓まいりにでかけませんか?
Mこうだ さんもきっと喜ぶと思うんです。
エミコ
Mさま
追伸:
メトロポリスの片隅で、楽しみにしてくださってありがとうございます。片隅にいるのに、もう孤独ではないって、嬉しいものですね。
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